-Road to THE FINALS- 滋賀レイクスターズ プレイオフ特設ブログ2013

VOICE OF LAKES #17-小川伸也

VOICE OF LAKES第17回。
今回は、ついに、小川伸也キャプテンの登場です。
ここに登場する誰もが語っているように、キャプテンであり、先発ポイントガードであるシンヤの離脱がレイクスに与えた打撃は、計り知れませんでした。
3P成功率をぐっと上げ、オールスターゲームにも出場し、順風満帆のシーズンを送っていた矢先の怪我、そして手術。
悔しさ、もどかしさ、脱力感、無力感。
いろんな感情に襲われたであろう今シーズンを、振り返ってももらいました。
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VOICE OF LAKES #17-小川伸也―プレイオフは、つらい敗戦になってしまいました。
これについては、結果がすべてです。
今までのプレイオフで、一番悔しかった。


―ベンチで一緒に戦っていました。

でも、ベンチにいて僕にできることなんてなかったですよ。
声を出して応援するだけ。
最初ね、怪我した当初は、アドバイスをしようとはしてたんですよ。
でも、すぐに「簡単にできることじゃない」と痛感しました。
例えば、プレイしていたら、交代する選手に対して「マッチアップする選手がこれを狙ってきてる、こう守りにくる」っていうのは伝えられます。
でも、外から見ているだけでは、その感覚がわからない。
厳しいチェックにきているように見えても、選手がそう感じてないときもあるし、その逆もある。
一概には言えないんですよね。

僕にできるのは、準備だけでした。
練習で、同じポジションの選手、ヨコ(横江豊)、シゲ(伊戸重樹)に、経験をもとに、相手の守り方の傾向を伝えて、その対策としてのシュートパターンの反復練習をさせたりしました。
試合中で言えばごくたまに、ワラさん(藤原隆充)から「どう思う?」「どうしたらいいかな?」と意見を求められた時に、思うことを伝えたくらいです。
それも、確信があるわけじゃないですしね。
だから割り切って、自分のできることだけを一生懸命やろうと思いました。

―なるほど。ここからは自身の今季を振り返ってもらえますか。序盤戦からとにかく3Pシュートの成功率が高かったですね。
3Pに関しては、技術面での向上があるんですよ。
もちろん企業秘密です!
…というほどのものでもないんですけどね。
シュートを打つ動作の中でひとつ、コツをつかんだんですよ。
一連の動作の中で、これができれば入る、できなければ入らない、という明確なモノサシができた。
ということは、入るバロメーターが分かっているから、それができるように準備すればいいですよね。
シュートを入れる、ということに対して、自分でコントロールできる範囲が増えたんですよ。
それまでは、その範囲が少なかった。
その日その日の「調子」に左右される部分が大きかったんですね。
入る時は、いい感覚がある。
悪い時は、その感覚を失っている。
その繰り返しだったんです。
トレーニングで、そのバロメーターを計った時期もありました。あるバランス系のトレーニングだったんですが、それをやって臨むと、すごくシュートが決まった試合があったんですよ。
でも、それが続くわけじゃないから、そのトレーニングをやってもダメな時は、また悩みますよね。
だけどいまは、確固たるものができたと感じています。
昨オフ、シューターの岡田(優)の移籍が決まってから、漠然と「得点面でのステップアップは必要だ」と感じてはいたんです。なので、NBAも含めていろんな選手のシュートフォームをとにかく見るところから始めました。
そこから、どうやってつかんでいったかは、本当に企業秘密です。

―今年は、すごく積極的に3Pを打っていた印象があります。

序盤戦を戦っていたころ、ウェインと2人で話す機会があって、「アグレッシブにシュートを打ってほしい」と言われたんですよ。もちろん昨季からコーチにはずっと言われていましたが、スコアラーであるウェインから言われたことは、また違うインパクトがあって、それまでよりももう一段、スコアを意識するようになりました。
ウェインは言葉数は少ないし、僕ともしょっちゅう言葉を交わすわけではないんですが、僕の心に響くことを言ってくれる。
ある意味では「メンター」(精神的指導者)のような存在でしたね。
そんなこともあって、1Q、3Qのオンザコート2の時間帯(日本人3人、外国人2人)には、コントロールよりスコアに比重を置いてプレイしていました。

―それがオールスター出場にもつながりました。

オールスターに出たのは、大きかったですね。
いろんな選手を見て、話して、自覚と責任感は確実に増しました。

―その直後に、あの悪夢のような怪我が襲いました。選手として技術的にも、精神的にも充実し、成長を実感していたシーズンだっただけに、余計悔しかったのでは。
それもないわけじゃないですけど、単純に「もうこのチームでバスケットボールができない」という感情の方が先にきました。すごくいいケミストリー(化学反応の意。チームワークの醸成を指す)ができていましたし、練習に行くのも、スクリメージで5on5をやるのも、楽しくてしかたなかった。
怪我自体は、プレイ中のことで、相手選手に乗られてしまった「事故」ですから、仕方ないし、手術せざるを得ない状況でした。
でも、結果としてプレイできなくなることに、不安はすごくありました。

―「もう元通りに治らないのでは」という不安ですか?

それもありますが、プレイできなくなることで「このチームで、自分の存在価値がなくなるんじゃないか」という恐怖感ですね。
先ほど言った寂しさもあります。
手術を決めたとき「精神的にしんどいだろうな」と想像はしていました。
でも、実際には、想像したよりも、はるかに辛かった。
退院して、練習に行って、チームメイトが練習しているのを見るのがまた、辛い。
入院していたときには諦めがついていたつもりが、実はまったく吹っ切れてないことに気づくんです。
で、退院後初めてのホームゲーム。
あれはたしか、彦根でしたか…。
選手入場後に、みんながウォームアップしている。
松葉杖で、シュートアラウンドのリバウンドにすら行けない自分。
ベンチに座って、周りをパーッと見回したあとに「何してるんだ、俺」と思ってしまう。
そんな感じでしたね。
その意味では、Jさん(波多野和也、現・島根)なんて、去年レイクスにいたときも含めて何度もひざやアキレス腱の怪我で長期欠場してますけど、そこから何度もよみがえってきて、すごいと思います。
今度同じような怪我をやって試合に出られない状況が長く続くなら、もうバスケをやめるかもしれない。
そう思うほどに、きつい経験でした。

―なるほど…。代わりを務めることになった横江選手には、どんなアドバイスをしてきたのですか。
ヨコに「こうした方がいい」という類のアドバイスをすることはほとんどなかったです。
これはあくまで僕の意見ですが、少なくとも現時点のヨコは、考えたプレイというよりは、「勢いと感性」が売りの選手です。だから彼のよさを生かすには、好きなように、ある意味では自分勝手にプレイさせる方が、彼のためにも、チームのためにもいいと思っていました。
それをカバーできるベテランが多いですしね。
もちろん、悩ませて、考えさせて成長させる、という考え方もひとつだし、いずれはそういう局面も来ると思います。
でも、少なくとも現時点で、勝つためには彼のあの感性や勢いが必要だった。
だからあれこれ言って考えさせることは、すべきじゃないと思ったんです。

―横江選手自身は、考えて、悩んでいたようですよ。
それくらいでちょうどいいと思います。
こちらから教えすぎて、悩みを与えるべきではないです。
頭でっかちになるだけだから。
だから、さっき言ったような準備だけはしてもらった。
ワラさんも、ヨコから相談されて、初めてアドバイスをしているはずです。
答えを教えるのが簡単だし、近道だという考え方もあると思うんですけど、僕の考え方は、それは逆に遠回りであって、自分が考えて、悩んで、試行錯誤していくのが最終的には近道だと思うんです。
少なくとも僕の立場の関わり方としては、それが正しいと思ったので、僕はそうしました。

―いろんな立場を味わった「天国と地獄」のシーズンだったんですね。
後半の地獄がすごかったですよ。
でも、このチームで本当によかった。
手術を決めたときも、そのあとも、このチームだったからよかったと実感しました。
2月の大分戦で怪我をして、そのあと2週間くらいで、手術が必要かも知れない状況だったのは分かっていたんです。
でも、軟骨がないままプレイしている選手もいるし、オフまで手術を引き伸ばす案もあった。
で、とりあえず高松戦(2/23)から復帰しました。
でも、もう痛みがひどいんです。
もう、ウォームアップのランニングをどう乗り切るのかとか、そういうレベルでした。
高松戦、まったく思うように動けない。
家に帰っても、ひざの曲げ伸ばしができなくて、右足だけで生活している。
痛み止めを飲んで、どうにかやっている。
それも、まったく効いてませんでしたが(笑)
そこまで追い込まれていました。

VOICE OF LAKES #17-小川伸也その後、最後に出場した長野戦のことを、今でもよく覚えています。
移動した金曜の夜、トレーナーの石坂(美彦)さんには「明日の様子をみて、ダメなら手術を受けます」と伝えました。
土曜日の試合、100点ゲームで勝ったんですが、はがれた軟骨がひざに引っかかってしまって、自分から交代しました。

試合後、ホテルで一人で悩みました。
どこかうすうす、「もうだめだ、終わりだ」と気づいていました。
それでも踏ん切りがつかずに悩んでいた。
あの夜のことは本当によく覚えています。
ホテルの従業員さんがすごくいい人で、ごはんがおいしかったことまでね。
一晩悩んだ末に日曜の試合前、石さん、トレーナーの谷(真斗)くん、そして、ワラさんに伝えました。
「手術を受けます」と。
もう、ほかに選択の余地がなかった。

そうしたら、そのワラさんがまさかのファウルトラブル。
僕が試合をつながなくてはいけなくなって、本当にギリギリの状態で3Qに出て、どうにかこうにかバトンを渡しました。
延長で勝った試合のあと、チームのみんなが大喜びしてる中「これで最後だ」と思って、下を向いていたんです。
そうしたらワラさんが「コートで待ってるからな」と声をかけてくれた。
不覚にもこみ上げてくるものがあって、こっそりロッカーから廊下に出たんです。
そこから、ジュンペイさん(仲摩純平)が来てくれた。
その時点で手術のことは話していなかったですけど、察してくれたんでしょう。
「辛いよな。気持ち分かるよ」と言ってくれた。
そこでまたこみ上げて、タオルをかぶってしまいました。
ほかの選手も、外国人選手もみんな、様子がおかしいことを察して、優しくしてくれました。
それがまた、辛くもあったんですが、本当にいいチームでした。

ウェインは僕が手術を決めたあと、フェイスブックにこんな投稿をしてくれたんです。
「It's amazing how much we can care about one person......」
(『このチームは、一人の人間(選手)に対してどれだけでもケアができる。それは、驚くべきほどに...』-ウェイン・アーノルド3月5日の投稿より)
ほかにも、たくさんの選手が僕の背番号『5』をシューズなどに書いてくれました。
辛いシーズンでしたが、すばらしいチームメイトに恵まれました。
だからこそ、この結果が残念ですし、繰り返しになりますが、もっとこのメンバーでバスケがしたかった。


―来季へ向け、ブースターのみなさんへのメッセージをお願いします。

今季、自分の怪我もあり、チームに貢献できないシーズンではありましたが、1年間応援をいただいて、ありがとうございました。
これをいい経験にして、自分の成長へとつなげなくてはいけません。
まだ来季のことはわかりませんが、まずは復帰に向けてリハビリを続けていきます。
来季も、レイクスへの応援をよろしくお願いいたします!
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…シンヤの思いが、伝わりましたでしょうか。
選手にとって、何よりも辛いのは、怪我で試合に出られないこと。
チームを強く愛し、手ごたえも感じていただけに、残念な気持ちは、これまた計り知れないものがあったでしょう。
元気でコートに立つシンヤを、早く見たいですね!

―Playoffs2013 特別パートナー一覧―
(117社)

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Posted by 滋賀レイクスターズ.at 2013年05月16日19:16
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